軟化点測定とは?環球法の原理・手順・注意点をわかりやすく解説

軟化点測定は、石油アスファルトやクレオソート油、加工タール、タールピッチなどの加熱時の軟化特性を数値で評価するための重要な試験です。

一方で、試験器の選定に迷ったり、手動測定では結果にばらつきが出やすかったり、複数の規格に対応できる装置を導入したいと考えたりする場面も少なくありません。

本記事では、軟化点測定の原理や注意点をわかりやすく整理したうえで、自動試験器を選ぶ際に確認したいポイントと、田中科学機器製作の「asp-6」が選ばれている理由を解説します。

軟化点とは

軟化点とは、試料を試験条件の下で加熱したとき、試料が規定距離までたれ下がるときの温度を指します。これは、氷や金属のように一定の温度で急に溶ける「融点」とは異なる考え方です。

軟化点が品質管理で使われる理由

軟化点は、材料の分子量分布、共重合比、添加剤の量、製造工程中の条件変化など、わずかな違いにも敏感に反映されます。軟化点測定が品質管理で重視される主な理由は、以下の通りです。

  • 製造ロットの均一性確認
    石油アスファルトや合成樹脂について、出荷ロットごとの品質がそろっているかを確認できます。
  • グレード分類
    JIS K 2207 などの規格では、軟化点を基準のひとつとして製品を細かく分類しています。
  • 実用性能の予測
    道路用アスファルトでは、夏場の高温時に路面が変形しにくいかを判断する目安になります。
  • 劣化診断
    経年劣化による軟化点の変化を追うことで、材料の劣化状態の把握や、寿命予測、保守計画に役立てることができます。

軟化点測定で使われる環球法とは

環球法は、軟化点測定で広く用いられている代表的な試験方法です(主にJIS K 2207、JIS K 2425)。

規定の環に試料を充填し、その上に規定質量の球を載せた状態で、水浴またはグリセリン浴中で加熱します(規格によっては、シリコン油もあります)。浴温を一定の速度で上昇させ、試料が軟化して球の重みにより変形し、所定の位置まで達したときの温度を軟化点として求めます。

軟化点は、石油アスファルトやタール系材料の加熱時の性状を評価するうえで重要な指標です。特に品質管理や規格適合の確認においては、一定条件下で比較可能な数値として活用されています。

軟化点測定で注意したいポイント

軟化点測定では、装置の性能だけでなく、試験条件や試料準備を適切に管理することが重要です。環球法は規格に基づいて行う試験ですが、浴液の選定、昇温速度、試料のセット状態などが測定結果に影響します。条件の違いで、測定値に差が生じることがあるため、各工程をできるだけ一定に保つことが再現性の確保につながります。

水浴とグリセリン浴の使い分け

軟化点測定では、予想される軟化点の温度に応じて浴液を使い分けます。一般的に、軟化点が80℃以下の試料には水浴、80℃を超える試料にはグリセリン浴が用いられます。

  • 水浴
    比較的低い温度帯の測定に適しています。温度を安定して管理しやすい一方で、高温域では気泡が発生しやすくなるため注意が必要です。気泡が鋼球に付着すると、測定結果に影響することがあります。
  • グリセリン浴
    高温域の測定に適しています。

このように、浴液は単に温度帯で選ぶだけでなく、測定を安定して行える条件で使用することが大切です。特に境界に近い温度帯の試料では、どの浴液を使用したかを記録しておくと、測定結果の比較やトレーサビリティの確保がしやすくなります。

昇温速度を一定に保つ

軟化点測定で特に重要なのが、昇温速度を一定に保つことです。昇温速度が安定していないと、同じ試料でも測定結果が変わるおそれがあります。

昇温が速すぎる場合は、試料内部の温度変化が追いつかず、実際よりも高い軟化点が得られることがあります。一方で、昇温が遅すぎる場合は、試料が長時間加熱されることで状態が変化し、本来より低い値が出る可能性があります。

そのため、軟化点測定では規格で定められた昇温条件を守り、できるだけ一定の速度で加熱することが重要です。手動での調整ではオペレーターの経験に左右されやすいため、測定の再現性を高めるうえでは、安定した温度制御ができる試験環境が求められます。

試料セットのばらつきを減らす

軟化点測定では、試料準備やセット状態の違いも測定結果に影響します。

たとえば、試料への気泡混入、環への充填状態のばらつき、表面の凹凸、鋼球や器具の汚れなどは、再現性を損なう要因になり得ます。自動試験器を使用する場合でも、安定した測定結果を得るためには、試料準備の条件をできるだけそろえることが重要です。

自動軟化点試験器を選ぶ際のポイント

軟化点測定では、規格に沿った条件で安定して試験を行うことが重要です。そのため、自動軟化点試験器を選定する際には、単に測定を自動化できるかだけでなく、対応規格、測定対象、再現性、操作性、データ管理、安全性といった点を総合的に確認することが大切です。

対応規格

まず確認したいのが、必要な規格に対応しているかどうかです。

軟化点測定には、JIS K 2207やJIS K 2425をはじめ、ASTM D36、ASTM E28、EN 1427、IP 58など、複数の規格があります。使用する材料や取引先の要求によって、求められる規格は異なります。

そのため、装置選定の際には、自社で必要とする規格に対応しているかをあらかじめ確認しておくことが重要です。規格に応じた試験条件を適切に設定できることは、測定の信頼性を確保するうえで欠かせません。

測定対象材料

測定対象となる材料に適した仕様を備えているかも重要なポイントです。

石油アスファルト、クレオソート油、加工タール、タールピッチなど、対象材料によって求められる試験条件は異なります。
例えば、試料を充填する環も肩付環と普通環にわかれ、さらにそれぞれの環にも種類があるため(肩付環Aタイプ、Bタイプなど)、注意が必要です。

操作性

日常的に使用する試験器では、操作性も重要です。
試験条件の設定が複雑すぎると、設定ミスや作業負荷の増加につながることがあります。

そのため、測定条件をわかりやすく設定できること、試験状況を確認しやすいことなどが、実際の運用では大切になります。扱いやすい装置は、作業の効率化だけでなく、測定品質の安定にもつながります。

データ保存・外部出力

品質管理の現場では、測定結果を適切に記録し、必要に応じて活用できることも重要です。
試験データを自動で保存できる機能があれば、転記ミスの防止や記録管理の効率化につながります。

また、USBやEthernetなどによる外部出力に対応していれば、試験結果をPCで管理したり、社内システムと連携したりしやすくなります。測定結果を継続的に蓄積・活用していくうえでも、データ管理機能は確認しておきたい項目です。

安全性と保守性

軟化点測定では高温の浴液を扱うため、安全性への配慮も欠かせません。
異常時に加熱を停止する機能や、装置の状態を確認できる機能が備わっていると、より安心して運用しやすくなります。

また、長期的に安定して使用するためには、日常点検や清掃のしやすさ、保守対応のしやすさも重要です。装置の性能だけでなく、継続的な運用のしやすさまで含めて選定することが大切です。

田中科学の自動軟化点試験器「asp-6」の特長

田中科学機器製作の「asp-6」は、JIS K 2207およびJIS K 2425に対応した自動軟化点試験器です。石油アスファルト、クレオソート油、加工タール、タールピッチの軟化点測定を、より安定して行えるよう設計されています。
※ホットメルトやエポキシ樹脂、ロジンなども納入実績があります。

asp-6は、測定の自動化によって、昇温管理や検知の安定化に寄与する点が特長です。また、水浴・グリセリン浴に対応しており、測定条件に応じた使い分けが可能です。

さらに、試験結果の保存や外部出力にも対応しているため、日常の品質管理業務や記録管理の効率化にもつながります。操作性や安全性にも配慮されており、継続的に使いやすい構成となっています。

軟化点測定の効率化・安定化を検討している方へ

軟化点測定では、測定条件のわずかな違いが結果に影響することがあります。そのため、試験の再現性を高めたい場合や、作業負荷を見直したい場合には、自動化の導入が有効です。

asp-6を活用することで、測定条件を安定させやすくなり、日常の品質管理業務の効率化にもつながります。また、測定結果の保存や管理をしやすくすることで、記録業務を含めた運用全体の見直しにも役立ちます。

軟化点測定の精度向上や試験業務の効率化をご検討の際は、田中科学機器製作の「asp-6」をご覧ください。詳しくは、製品ページやカタログでご確認いただけます。

asp-6の詳細はこちらから

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